理想的なウォーキングフォームとは
ウォーキングを教えるようになって14-15年になります。
初期の頃から通ってくださっている方は年齢を重ね、今なお美しく歩かれます。
そんな生徒さんの美しく、かっこよく、颯爽と歩く姿を見ていると、
幸せで誇らしげな気持ちになります。
歩き方は習うことで必ず改善されます。
うまく歩ける方でも、体調や心の変化によって歩き方が変わることがあります。
今回は一般的に言われている「歩き方」つまり歩きのフォームについてご紹介します。
理想的な歩き方とはどんなものだと思われますか?
理想的な姿勢とはどのようなものでしょう?
歩幅はどのくらいでしょう?
腕の動かし方はどのようにすればいいでしょう?
呼吸の仕方はどうでしょう?
答えは1つではありません。
なぜなら人間にはいろんな思考や趣味、状況があるからです。
ですから理想的な歩きのフォームは1つではありません。
その目的や環境によって変わってきます。
例えばこんなことがそれぞれの個性となって現れてきます。
性差:男性らしさ、女性らしさ
服装の好み:パンツスタイル。タイトスカート。フレアスカート。
雰囲気の好み:エレガントな雰囲気。キュートな雰囲気。かっこいい雰囲気。着物が好き。
履き物の好み:スニーカが好き。ヒールが好き。草履が好き。
目的:健康のため。魅せるため。
などなどちょっと挙げただけでも、場所・時代・集団が違えば、理想の歩き方も変わります。
人間の数だけ理想的なフォームは存在すると考えています。
人はそれぞれ性格も好みも違うので、同じにしてしまっては個性を潰してしまうことになります。
多くの歩き方がありますが、
まずは次の2つに分けて効果的なウォーキングフォームをご紹介しましょう。
○「健康」に効果的な基本的ウォーキングフォーム
○「美しく見せる」に効果的な基本的ウォーキングフォーム
「健康」に効果的な基本的ウォーキングフォーム
この歩き方は全ての歩きの基本となります。年齢も性別も関係ありません。
1 正しい姿勢で立ちます。
正しい姿勢で立つことは、スポーツで言うところの「構え」に当たります。
どんなスポーツにも構えがあり、良いパフォーマンスができます。歩くことも同じです。
正しい姿勢から歩き始めることで、効果的なウォーキングが始められるのです。
正しい立ち方についてはこちらのブログのページをご覧ください。
2 おへその後ろ側から押されたような気持ちで足を出します。
歩く時に使われる筋肉は身体の後ろ側(背面)になります。
はじめの一歩を出すためには、足の意識よりも身体の後ろ側からの意識を高めてみましょう。
その方が足が軽く出るようになります。
3 膝を曲げないで着地できる歩幅でつま先を上げてかかとから着地します。
膝を曲げたままで歩いていると、身体のバランスが崩れて歪みが生じ、
身体に新たな痛みを引き起こしかねません。
また膝が曲がったままの方は、身体の前方に体重がかかることが多く、
これもつまづきの原因になります。
歩幅は広い方が健康には繋がるものですが、
身体の能力以上に歩幅を広げようとすると膝が曲がってしまい、身体に負担がかかります。
まずは、膝が曲がらないでかかとから着地できる歩幅で歩き始めてください。
ウォーキングに身体が慣れてくれば徐々に歩幅が広がってきます。
4 かかとからつま先まで体重の移動させてから足が地面から離れるようにします。
足の裏にはたくさんの反射区・ツボがあります。足の裏を歩きながら刺激するためには
「かかとからつま先への体重の移動」が必要なのです。
それだけでなく、足の裏をしっかりと刺激し、筋肉を使うことで足の血流量が上がり、
足が暖かくなってくるという効果もあります。
また、このような歩き方を行うことで、足首が動き、
その結果ふくらはぎが動くようになります。
ふくらはぎの動きはミルキングアクションと言われ、
重力によって下がってしまった血液を身体の上部に押し上げる作用があり、
足がむくむ方に効果的です。
足がむくむというのは、足にたくさんの不要な水分が溜まっていることになります。
これが冷えの原因ですので、むくみと冷えは必ずセットになってしまいます。
足首が動かない歩き方をしている方は、足のむくみがなかなか取れませんが、
ちょっと意識を変えて歩くだけで、足のむくみ、冷えが解消されますので
これらに悩みのある方は、今から歩き方を注意していただけたらと思います。
5 腕は振るのではなく「引く」ようにします。
「腕は大きく振るのが良い」と思われている方も多いかと思いますが、
もし振りたいのであれば、肘を曲げて行うようにしてください。
これであれば、腕を大きく振っても構いません。
しかし肘がある程度伸びている場合は、腕を大きく振って歩くのは、
身体にとって負担がかかるのと同時に、歩きのリズムが狂ってしまいますのでお勧めできません。
オリンピックで走るトップアスリートを思い出してみましょう。
彼らは腕を前に振って走っているでしょうか?
後ろに引いていませんか?
または、水中で歩くことを想像してみてください。
前に進もうと思ったら腕を後ろに動かして水をかこうとしませんか?
地上を歩くことも同じです。
身体を前に進めさせようとするなら、腕は後ろに引くのがいいのです。
しかし後ろに引きたくても、肩周辺が硬いとうまく引けません。
そういった方のためにもこのぴんしゃん元気体操は効果的です。
1分程度の体操ですので、ぜひやってみてください。
6 1本の線の上を歩くようにし、膝と膝の間が開かないようにします。
2本の線の上を歩いてしまうと、身体が左右にブレて、いずれは身体の歪みに繋がってしまいます。
また2本の線の上を歩いているうちに。太ももの内側の筋肉(内転筋)の力が弱まってしまい、
ここが弱くなることで尿もれなどの悩みに繋がってしまいます。
ですので、できるだけ足を引き締めて歩くよう心がけていただきたいです。
「美しく見せる」に効果的な基本的ウォーキングフォーム
健康に効果的な基本的ウォーキングフォームを踏まえて、
「美しく見せる」に効果的なポイントをご紹介します。
基本は変わりません。
基本的ウォーキングウォームに次のことを足していきましょう。
1 アゴを少し上げて歩きます。
よく「アゴを引いて」という言葉を聞きますが。
歩くときにアゴが下がっていると、お腹が緩むのと、顔に影ができてしまって美しく見えません。
ですのでいつもより5cmほどアゴをあげるつもりで歩いてみましょう。
2 胸を開いて歩きます。
背中が丸まっているのは、自身なさそうに見えたり、弱々しく見えたり、
暗そうに見えてしまうものです。胸のデコルテが太陽を向くように、
しっかりと開いて歩いてみてください。
男性も女性もとても美しい姿になります。
3 足音はあまり大きくしないようにします。
美しく見せるのは姿ばかりではありません。
「音」も関係してきます。
先に書いた「基本的なウォーキングフォーム」で歩いた時に「バタンバタン!」などの
大きな音が消せなかった方は、足と靴があっていない場合もあります。
また、女性が夏に履くミュールやサンダルはどうしても大きな音が立ちやすいので、
美しく見せたい場面では避けたほうが良いです。
美しい足音が聞こえてきたら、きっと歩く姿も美しいはずです。
4 指先は軽く伸ばします。
歩く時に意識が抜けがちなのが「手の所作」です。
街を歩いている人々の姿を見ると「手の甲が前に向いている」方が多いのに気づきます。
そして手先への意識がなくモサーっとしてしまっている方も多いです。
指先は軽く伸ばして歩きましょう。
軽くです。
力を入れてピンピンにまっすぐに伸ばすのは間違いです。
綺麗に指が伸びたら、美しく引いて歩きましょう。
左:手の甲が前を向いている
中:手先に意識がないモサーっとした感じ
右:指先に意識があり、軽く伸ばしてある
5 歩幅は広めにします。
慎重に対して、歩幅が狭すぎるのは美しくありません。
いつもよりちょっと先の方に足をおくようにして、歩幅を広めて歩きましょう。
6 少しテンポを落としてゆっくり目に歩きます。
歩くテンポはその人の心のゆとりを表します。
あまりせっかちに歩いているのは美しくありません。
ちょっとゆっくりめに歩くのが、美しい歩き方でです。
もちろんテンポが上がっても、1-5ができて入れが、美しい歩きと認められます。
いかがでしたか?
ご自身の目的に応じて、効果的な歩き方をなさってみてはいかがでしょうか?
ご自身では、どれが正しいのか判断がつかない時は、どうぞレッスンの体験にいらしてください。
お近くの会場がない場合はお問い合わせください。アドバイスさせていただきます。
※今回はつくばクラスの入江浩美さんに撮影のお手伝いをしていただきました。
浩美ちゃんありがとうございました。