背が高い子は猫背になりやすいのか
大学で「体力学」を専攻していた私はどんな卒業論文を書こうか決めかねていた時、当時専攻していた研究室の浅見高明教授から「君は子供の姿勢を研究するといい」と言われ、600枚ほどの子供の姿勢を写した写真を解析し、その当時定説だった「背の高い子は猫背になりやすい」ということについて研究することになりました。
たくさんの子供達の立ったままの横向きの写真に5つの姿勢ポイントをつけて行くのです。
これが一直線に並んでいるのがいい姿勢として研究を進めました。
5つのポイントは
① 耳の穴
② 肩の骨(肩峰)
③ 大転子(股関節部分の骨)
④ 膝の真ん中
⑤ 第5中足骨粗面(かかとと小指の真ん中あたり)
その結果「猫背は身長に関係なく起る」ということがわかりました。
まさか、自分が姿勢を扱うウォーキングの指導者になるとは全く予想していませんでしたが、
その頃から、私の進むべき道が作られていたのかもしれません。
私は身長が高いです。現在171cmあります。
小学校6年生の時に163cmありました(笑)
同じ小学校に何人か背の高い女の子がいましたが、そのうち数人は自分を小さく見せたくて作った姿勢のために猫背になっていました。
当日猫背というものがどういうものかは正確には知りませんでしたが、身長が高いだけでも目立つのに、姿勢が悪いのは格好が悪いと感じていました。
ですから絶対にそうならないように!と気をつけていたおかげで、猫背にはならずに成長することができました。
猫背って?
そもそも猫背というものはどういう状態のことを指すのでしょうか?
簡単に言ってしまうと、「首や肩、背中が必要以上に前に出てきてしまっている状態」のことを指します。
現在では「猫背専門の治療院」も多くあり、その原因や猫背による痛み、体型の崩れが様々あるため、気になる方はご自身の症状に合わせて、専門の治療院を訪れることをお勧めします。
猫背のデメリット
肩の位置が前に出ているだけでも身体のバランスは崩れ、気づかないうちに肩に負担がかかり、いつも肩が凝ってしまったり、気づかないうちに呼吸が浅くなっていたりするのです。
猫背であるためのデメリットをご紹介します。
肩こり
腰痛
膝の痛み
頭痛
スタイルの歪み
顔が大きく見える
呼吸が浅い
自身がなさそうに見える
など、が挙げられます
猫背の治し方 姿勢の作り方
しかし。私がざっと見たところでは、本当の猫背はそんなに多くはなく。日常でちょっと気をつけるだけで、今の状態から抜け出すことができる方が多いのです。
その時のポイントは「肩の位置」です。
猫背だと思っている方の肩の位置は、本来あるべき位置よりも前方に出てしまっている方が多いのです。
肩が前に出ているだけで、背中が丸まって見えるのです。
ここでは日常で心がける姿勢の作り方をお伝えします。
画像でお見せしている様に、肩を後ろに回すエクササイズを毎日気づいたら10回ずつやってみましょう。
駅などでちょっとした待ち時間がある時に
1 両肩を上にすくめる
2 両肩をくるりと後ろに回して下におろす。
その時、手の親指がパンツなどのお洋服の真横の縫い目に合わさるくらいまで、肩が引けている様にします。
というのをやってみましょう。
これですべての猫背が治るわけではありませんが、少なくとも改善が始まります。
猫背の治し方 歩き方
猫背などで姿勢がかずれている方の歩き方の特徴として、「手の向き」が挙げられます。
歩いている時、立っている時に「手の甲が前を向いている」のは、すべて猫背か猫背製造中になります。
腕はまっすぐ下ろした時、手の甲は身体の横に向かって外側を向いていて、親指と一足ゆびが前に向いてなければなりません。
それなのに、手の甲が前を向いているということは、肩が前に出てきてしまっているのです。
身体の歪みを自分で整えるには、動きながら整えて行くのが効果的ですので。そう言った意味でも歩きながら肩の調整をして行くのは、効果の持続性が高くなるのです。
猫背を解消するには
先ほど作った姿勢から手の甲ではなく、親指と人差し指が前を向く様にして動かしながら歩くことです。
大人が正しい姿勢と正しい歩きを見せてあげること
姿勢は日常で作り上げられます
立っている時の姿勢、座っている時の姿勢、歩いている時の姿勢の日々の積み重ねが何年か後の身体と心の健康を作ります。
特に子供の姿勢については、周りの大人がその責任者となりますから、日常から正しい姿勢をご自身でも見せて真似させながら、子供の姿勢の間違いをサポートしてあげる必要があります。
親子は歩き方がそっくり
親子は歩き方や仕草、言葉遣いがそっくりになります。
もちろん遺伝の要素もありますが、多くは後天的なものです。
子供達は成長の過程で自分のそばにいる人の行動、仕草、言葉を真似しながら、
それを自分のものにして大きくなって行くからです。
つまり、大人にはお子さんのためにもご自身のためにも、健康的な姿勢や歩く姿を心がけていく必要があるのです。
親子ウォーキング「歩育」のすすめ
そこで親子で学ぶ親子ウォーキング「歩育」をお勧めします。
親から「姿勢を良くしなさい」と良く言われましたが、具体的に「どのようにしたら姿勢が良くなるか」という話は聞いたことがないという方が大半です。
そうなのです。親御さんも「姿勢が悪い事は見つけられても、どうやって直したらいいかはわかっていない」のです。
ですから、一緒に学んでいただく事で、お互いに理解を深めることができますし、目の前のお手本である親御さんの姿勢が良くなることで、子どもは頭で理解する前に身体が必要なことを吸収することができるのです。
PTAの役員様がおられましたら、ご相談ください。
姿勢教育は小学生の頃が一番うまく行きます。
懐かしい論文
あの頃はパソコンじゃなくて「ワープロ」で作ってました(笑)
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